さとさまの日常

京都のROCK BAR DIRTオーナー、さとさまの日々の覚え書きを書き記す。

見てる先を見せてくれるバンドがマジの良いバンド

みなさんJUDY AND MARYは好きですか?

 

僕はめっちゃ好きです。

 

理由はカッコいいからです。

 

あ、乱暴でしたね。

 

カッコいいのはなんでかって話をしますね。

 

JUDY AND MARYって、めっちゃ攻めてるんですよね。

 

売れようてしてて、かつ攻めてる。

 

ミュージックファイターとか、シングルチャートのトップ10にぶち込んでる時点でほんとにエグい。

 

そばかすとか、ずっとギターソロだし。

 

でね。

 

ほんとにカッコいいバンドってのは、世界観があるんですよ。

 

それは、設定とか、キャラとかじゃなくね。

 

どこ見てんのか、何を見てんのかって、その景色を感覚的に共有してくれるんすよ。

 

「THE POWER SOURCE」('97)、「POP LIFE」('98)、「WARP」('01)と、最後の4年間で3枚のアルバムを出してるんですけど。

 

僕はこの3枚を、夢に手が届いた1枚、夢破れた1枚、ベストスコアを狙って取った1枚、と考えてます。

 

POWER SOURCEは、とにかく新しくて、売れそうなポップさがあって、ROCKしてる。

 

掴めるかどうかギリギリの所で掴めた作品って感じで、ピーキーな印象があります。

 

音も独特、歌詞もキレキレだし、これぞロックバンドっていう印象です。

 

POP LIFEは、さらに攻めようとして、特に年長のリズム隊二人がついて来れなくて、結果的に上手くいってない印象です。

 

それでも狂気の片鱗みたいのはアルバムの随所にあって、ちょっと重たく聴こえる時があるけどメロディは非常にポップです。

 

メンバーのアーティスト性が浮き彫りになって、恐らく限界が見えてしまった作品。

 

WARPは、ビートルズでいうAbbey Roadです。

 

限界を知ったメンバーやスタッフが終わりに向かってベストスコアを狙って出した、そんな作品に聴こえます。

 

完成度が凄く高いし、攻めてる曲があって、そんな中にヒット曲もあり、みんながイメージするJUDY AND MARYの完成系だなって作品です。

 

一通り聴いて貰えたらなと思うんですけど、

作品を聴いててもこんな感じで、JUDY AND MARYって音だけで完結してないんですよね。

 

見てる世界を見せに来てくれるっていうか。

 

実際そこには10ぐらいのことしかないんだけど、100がちゃんと伝わってくるっていうか。

 

僕もバンドをやってたんですけどね。

 

僕はメンバーにもすら見てる世界を見せれなかった。

 

厳密にいうと、メンバーに対して要求が厳し過ぎましたし、お客さんにはもっと難しかったと思います。

 

これやったら、こうやろ、わかるやろ、と。

 

わからんってのが、努力不足や能力が無いって思ってました。

 

だって、JUDY AND MARYとか、The Beatlesは見せてくれるし、わかるもの。

 

と。

 

まぁそんなやつらが凄すぎただけでしたけども。

 

良いバンドってのは、見てる景色をね、共有してくれるんすよ。

 

多分僕らも1回か2回はステージから共有できた日があったと思うんですけどね。

 

ほんとに世界が変わるんですよ。

 

そこ覗いちゃうと。

 

でね。

 

何を言いたいかっていうとね。

 

最近は失敗ギリギリの作品がほんとに全然ないんですよ。

 

どれも良い感じなんです。

 

ていうか、良いんすよ。

 

それはそれで良いことなんですよ。

 

一定のベクトルでは良いという判定なわけですから。

 

ただ、僕的にはつまんないんすよ。

 

変なやつのテンプレとかじゃなく、真に異質な存在、個性、そういう人は今の世の中ではギター弾かないんだなって、そっちに納得いっちゃう。

 

もう何度も言ってますけど。

 

文化が発達するための起爆剤になる場所、人、モノ、そこはなんでもいいんですけど、セックスとバイオレンスがなければ爆発しないんすよ。

 

今で言えばyoutubeだし、youtubeはもう爆発し終わって安全空間になりつつある。

 

もう、次の火薬庫探さないとダメで。

 

タイミング的にはまたエアポケットだと思うんですよ。

 

そろそろ衝撃的なことを口走るヤバいやつがギター弾いたりしてもいいんじゃないの、と。

 

そう思うんすよ。

 

もちろんそれは若くて何も知らないようなやつですよ。

 

勢い凄いやつ。

 

やべーやつに出会いたい。

 

見たことあるようなのはもういらない。