さとさまの日常

京都のROCK BAR DIRTオーナー、さとさまの日々の覚え書きを書き記す。

日本の音楽シーン

こちら、m-floのTakuさんのインタビュー。

http://diamond.jp/articles/-/31200

これは本当に正論だと思う。

多分日本のトレンドが世界から乖離しはじめたのは90年代中盤から後半だと思う。

まずロックのトレンドが重く暗いものへと変化したこと。

ヒップホップは音楽のシステム的に日本語が乗りにくいこと。

だけど、この時期に日本のポップシーンは日本独自の進化を遂げているとは思う。

いわゆるJ-ROCKやアイドル文化、それに伴うシステム。

個人的には、海外から輸入した音楽を日本の文化に取り込み、新しいスタイルを作ったエポックメイキングな出来事だったように思う。

しかし残念ながら、そういった独自の文化はビジネス的な消費に耐えられずに瓦解してしまったよう。



海外のロックシーンは、世代を越えて受けつがれる文化となっている。

しかし、日本では中々そういうバンドは少ない。

ビジネスの方向性も、短期的な利益や考えに支配されているように見える。

既に成功しているモデルパターンを、それをしらない顧客に向けて展開する。

頭打ち、ジリ貧は必死である。


では逆にインディ/インディメジャーと呼ばれるシーンはどうなのか。

正直こちらも似たり寄ったり。

完全に洋楽のダウングレードでしかない音楽を、洋楽を聴いた事がない層へ発信している。

長く低迷している経済状況がこういう状況を作りだしているという意見もある。

お金がなければメシを食えないのだから当然だ。

けれど育成、もっと言えば市場の開拓、連結、今それが最も必要だと思う。



日本のシーンは細分化しすぎている。

ネットは整備され、知識はweb上に置いておくモノのなった。

フィジカルは売れずデータだけがやりとりされるようになった。

マージンの存在に誰もが疑問を持ち、店舗は消えた。

バンドは減っているのにハコは増える一方。

リスクはバンドが担う、その状況はさらにシーンを痩せ細らせている。

超メジャーと、小規模インディーへと2極化は進行していく。

今強く言いたいのは、文化は人から人へと受け継がれていくモノなのである。

親父のレコードを聴いてみる。

そういう所から繋がっていくモノだと思う。



そして、今からでも遅くない。

欧米へマーケットを広げていくべきだ。

欧米のようにライブの前座に3つくらい新人や中堅をつけるべきだ。

経済規模が違いすぎてビジネスにならないアジア諸国の経済支援を始めて、市場として開拓してくべきだ。

そしてなにより大人の思惑に振り回されない自分を作るべきだ。

日本のシーンは新しいモノをとにかく拒絶する。

誰かの評価を評価する。

自分の意見を言うべきだし、新しいモノ、新しいという事実をもっと評価されても良いとおれは思う。

理解するのにレッテルは必要じゃない。

ただありのままを受け入れれば、必ず日本独自の、そして世界に通用する音は生まれると信じている。


K-POPのように、プロが本気で売るために作るのも一つの方法だろう。

けれどそれでは文化として受け継がれない。

雑多なものが集まったニコニコ動画のような場所からこそ生まれてくるはず。

そろそろ新しいシステムへと以降しても良いとおれは思う。