さとさまの日常

京都のROCK BAR DIRTオーナー、さとさまの日々の覚え書きを書き記す。

統一球問題における「調査報告書」

こちらです↓

http://www.npb.or.jp/news/20131025.html

結論から言うと報告書は非常に良く出来ていた。

三者委員会など名ばかりの内輪組織かと思っていたが、きっちりと仕事をしたようだ。

桑田氏もその職務を的確にこなされていたようである。




では、全体に伏字になっている箇所や匿名の記述があるため、細かいところまでははっきりとはわからないが、その衝撃的な内容について触れていきたい。




統一球問題はいくつもの問題を孕んでいた。

まず、わかりやすく纏めてみる。


①統一球はアグリーメントに違反した違反球であった

②2013年用統一球の仕様変更は加藤コミッショナーは認知しておらず、下田事務局長以下数名が行った

日本野球機構と野球組織が二重構造となっていること


以上が大きな問題点であると思われる。



①については、プロ野球で使用されるボールの反発係数は、0.4134〜0.4374内に収まるべきことがアグリーメントで定められている。

だが、実際に2011年から使われた統一球は2011年から2012年第3回検査まで、全てアグリーメントの定める下限を下回る反発係数を計測していた。

なぜなら、そもそも統一球は反発係数0.4034〜0.4234を許容範囲としており、アグリーメント上の許容範囲を違反しているからだ。

これは統一球で選手生命を断たれた、もしくは成績を落とし契約内容を不利なものへと変更することを余儀なくされた選手が複数いることを考えると、非常に重大な問題であると思われる。

生涯年収が大きく変わった選手もいただろう。

これは完全にアグリーメント違反であるわけで、訴えれば勝てるのではなかろうか。

さらに、アグリーメント違反であるボールを使用して2011年、2012年と公式戦が行われたが、2013年に入って仕様が変更され、6月11日まで、仕様変更は大半の選手及び球団関係者、観客、マスコミに知らされないまま公式戦が行われた。

こっちもこっちでヒドい話だ。

報告書を読むと、わからないように変えようぜ、という旨で変更したようであるが、ミリ単位で調整しているプロのスポーツ選手を舐めているとしか思えない。

実際に、すぐに選手会から疑問の声が上がっている。

当初事務局は虚偽の返答をしていたが、2013年6月11日、選手会との事務折衝の場において調整を認めた。

この件において、報告書に記載されている内容から鑑みるに、一部球団は変更を理解していたようなフシがある。

正確に言えば、セリーグ球団は知っていたのではないか、ということだ(現場が知っていたかまではわからない)。

仕様の変更は、②にある通り下田事務局長が独断で行ったわけであるが、その経緯においてセリーグ球団とは何度かやりとりがあったらしい。

そして最終的には、全会において「事務局一任」、という玉虫色の表現で統一球の今後を一任されることになっている。

なぜ玉虫色であるかと言えば、セリーグ球団は反発係数を上げる件どうですか?というニュアンスで捉えていたようだが、パリーグ球団は統一球、今後どうしますか?というニュアンスで捉えていたようなのだ。

この差は大きい。

戦力の編成方針も変わるであろうし、楽天などは本拠地を狭くする改修までしているのだ。

ピッチャーからすればたまったもんじゃない(余談だが我らが阪神も長打力を捨てる判断をしているので、阪神ファンの自分もたまらんのである)。

そしてもっと深読みすれば、なぜ下田事務局長はこんな大それたことをしでかしたのか、という部分で、背後に何らかの権力者がいたのではないか、と勘ぐってしまう。

それが誰か等は無粋なので言わないでおくが。

で、この様な異様な事態が滞りなく遂行してしまった原因については③である。

責任の所在が見え難く、誰が何の決定権を持つのかわかりにくい状態であったため、らしい。

もちろんコミッショナーは知らんかったと言えども地位、職責及び経歴から見て事実を知ることは容易であったため、混乱を招いた責任から免れることは許されない、としている。

要はコミッショナー以外はよくわからんシステムになってますよ、ということである。

こんな組織体制でよくもまぁ今日まで運営出来たものである。




とまぁ報告書には日本野球機構の成り立ちからシステム、コミッショナーNPB事務局幹部職員及び球団関係者において規律の回復、コンプライアンス体制の確立を図ること、ガバナンス体制の充実・強化を図るべきであること等まで指摘されている。

アグリーメントに違反している、という状況を誰も重く見ていなかったこと等、正直信じられない。

こんな運営で営業戦略など立てられると思えない。

その辺りMLBとの組織力の差はここへきて歴然としていることが突きつけられた。

はっきり言えばこのまま放置していれば日本のプロ野球MLBの下部組織になるのではなかろうか。




とにもかくにも、おじいさん達には早いところ退場して頂いて、経営感覚のある人が実権を握ってもらいたいものだ。

日本の野球界の闇はまだまだ深いが、これを機になんとかその闇を晴らしてもらいたい。





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