さとさまの日常

京都のROCK BAR DIRTオーナー、さとさまの日々の覚え書きを書き記す。

2013プロ野球総まくり!

まだ試合が残ってるけど、2013年のプロ野球を総括!

ではクライマックスシリーズ見ながらつらつらと。



今期のプロ野球と言えば、やはり記録。

バレンティンの60本塁打、田中の24連勝。

それからルーキー大谷君の二刀流。

この3つを見てみようと思う。

そして阪神ファンのおれとしては阪神について総括したい。

では、いってみよう!



まずシーズン始めにプロ野球界を賑わした日本ハムファイターズ大谷君。

戦前には沢山いたけど、分業の進んだ現代野球においては異質中の異質、投打二刀流へのチャレンジ。

では実際大谷君、どうだったの?というのを見ていきたい。

基本データはこちら、SPORTS NAVIから。

打者成績 77試合 189打数 45安打 打率.239 3本塁打 20打点 出塁率.284 長打率.376

二刀流ということで、試合数が少なく積み上げ型の数字は良くわからない感じに。

なので総合指標も少し見てみようと思う。

OPS.660 RC 20 RC27 3.62

まず指標の解説をすると、OPS出塁率長打率を足した物で、得点への相関が強いと言われる。OPSから見ると、悪くはないが少し物足りない。もちろん一流からは程遠い。

RCは積み上げ型の指標で、この選手は一体何得点を生んだのか?という数字。ちなみに大谷君が規定打席にこのペースのまま到達したと過程するとRCは48になる。RCは打席数が多い程積み上がるので一概に言えないが、同じ打数で計算すると小谷野より少し高くなる。

RC27はその選手だけで打線を組んだとしたら1試合平均何点取るのか?という数字。3.62は日本ハムの1試合平均得点が3.71なので、日本ハムの平均的な選手より少し落ちる、と考えられる。

これらの数字から、打者大谷翔平日本ハムのレギュラーとしては平均的であり、それなりの数字を上げていることがわかる。

試合数が増えれば対策を立てられるかもしれないし、何かを掴んで大化けする可能性もあるが、今のところ使える選手である、言える。

次に投手成績を見てみる。

13試合 61 2/3回 3勝0敗 46奪三振 奪三振率 6.71 33四球 8死球 57被安打 4被本塁打 防御率4.23

まずぱっとみて死球が多い。

がとりあえず総合指標を見てみよう。

DIPS 4.47 WHIP 1.46 WAR−0.0(投手限定)

こちらも指標の解説しつつ見てみる。

DIPSは被本塁打、与四死球奪三振の3つを抜き出して、それ以外のファクターは投手の責任ではないと考えたもの。大体2.5を切るともの凄い投手で、先発投手だと4は切りたいところ。四死球が多く三振がそこまで多くないので、DIPSはそんなに良くない。

WHIPは1イニング辺り何人の走者を出したか、という数字。野球は3アウトをとるまでに4つのベースを回ると得点になるスポーツなので、この指標は割と重視される。先発なら1.30前後に収めたい。やはり四死球の多さからこの数字もあまりよくない。

WARはリプレイスメント(代替可能)レベルの選手と比較してチームにプラマイで何勝をもたらしたか、という数字。投手としては、まさに代替え可能な選手ということになる。マイナスも極小さいので投げさせてみるのも良いが、先発ローテーションに入れて回すレベルとは思えない。

総合的に見ると、とにかくコントロールが悪いようだ。

被安打がそこまで多くはないので、球そのものは通用していると思われる。

しかし日本ハムのピッチングスタッフを考えると、育てることで支払う代償は大きくなりそうだ。

総括。

二刀流というのは、投打両方で一流、もしくは平均よりずっと高い成績を収めていなければ意味がないと個人的には考えている。

1年目の数字だけを見るなら、打者としての大谷君の方が良い数字を残している。

しかし、157キロを投げられるピッチャーはそうはいない。

コントロールさえ改善すれば化ける可能性はある。

球団は才能を潰す前に決断をするべきだ、と個人的には思う次第。

積み上げ型の指標では圧倒的に不利だしね。

おれはメジャーでガツガツ打てるバッターになって欲しい!



では次にヤクルトスワローズバレンティンは今年どれくらい凄かったのか?を見てみたい。

もうめんどくさいので基本的な指標はスポーツナビ見てくださいね(怠慢)。

いやもう一流どころかスーパースターな成績。

すげーすな。

では総合指標も。

OPS 1.234 RC139 WAR 7.1 RC27 12.06

これもぶっちぎりですな。

全ての数字がリーグ1位。

うん、もうわかったって?

では本題。

60本塁打の凄さ、考えてみましょう。

王貞治が55本を打った1964年のセリーグ全体の本塁打数は724本。試合数は140試合。

今年2013年のセリーグ全体の本塁打数は714本。試合数は144試合。

ぱっと見てわかって頂けると思うが、2013年は1964年に比べて試合数が多いのにホームランが少ない。

統一球は以前より飛ぶようにはなったが、統一球が導入される前よりも飛ばないのだ。

もちろん、色んなファクターが関連しているので一概には言えないが、バレンティンの60本塁打の価値は、長いプロ野球の歴史の中でも相当に凄い。

特に8月に打った18本塁打はちょっと信じられない数字。

怪我で出遅れてなければ、もう少し積み上げたと思われる。

個人的にはぶっちぎりのMVP。

この数字でMVP取れないとしたら、もう選ぶ意味ないんじゃないの。



最後は楽天ゴールデンイーグルス田中将大24連勝!

こちらも戦前・戦後通して空前絶後の大記録。

基本的な数字はスポーツナビ見てください。

いやー。はちゃめちゃやね、ここまでくると。

では総合指標。

DIPS2.26 WHIP 0.94 WAR 4.4

こちらも凄い。

ただ、実はこの数字、2011年の数字に比べると少し落ちる。

今年の記録の凄みは、こことは少し違う部分に現れていると思う。

なんと今年の田中は先発した全ての試合でQS(クオリティスタート)を記録しているのだ。

QSとは、6イニング以上投げて3自責点以内に押さえた試合数のこと。

最近はHQSという7回以上投げて2自責点以内に押さえた記録も重視されるようになったが、こちらも27先発で24HQSという圧倒的な数字。

楽天の1試合平均得点は4.3点なので、よっぽど運が悪くなければ負けないのは当然。

今年の田中の凄みは、崩れない、安定しているという部分にあると思う。

そして、1試合も運良く勝った、という試合はない。

凄いの一言である。

特筆すべきは212イニングを投げて2981球しか投げていないということ。

イニング平均13.97球しか投げていない。

この数字はメジャーでかなり重視されると思うし、同じくらいのコントロールを維持できれば田中はメジャーでも通用すると思う。



ではお待ちかね、我らが阪神を見ていこう!

今年の阪神ペナントレース2位だし、良い成績で終わったと言える。

だけど全然良かった記憶がない!という方も多いと思う。

それは多分終盤戦の腑甲斐なさによるものに違いない。

じゃあなんで終盤失速したの?というのを考えていきたい。



やはり個人的には統一球の改変が大きかったと思う。

そもそも阪神は2000年前後から出塁系の選手を揃える野球をやっていた。

それは多分安価で、他球団と競合しにくかったからだと思われる。

星野監督になったころから、ようやくお金で勝負できるようになり、長距離バッターを獲得出来るようになったが、それでも広い甲子園では出塁系打線が効果を発揮した。

2011年、真弓監督がこの路線を改革しようとする。

前年度の得点力不足を解決するために出塁系打線から長打系打線へと移行しようとしたのだ。

だがこの年から統一球が導入される。

最初の年こそ統一球に対応した打線も、2012年には加齢等の要因もあり一気にそのアドバンテージは失われている。

統一球下では、出塁能力の高さが数字に直結することがわかってきた。

そして今年、2013年に入ってまた打線を出塁系へとシフトしたのだ。

具体的にはブラゼルの放出、西岡、福留の獲得。

これが痛かった。

そう、みなさんご存知の通り、統一球が改変されていたのだ。

それが露見したシーズン途中から、野球のやり方が変わってしまう。

阪神のチーム本塁打数はなんと82本。

一番多い巨人の145本と比べると圧倒的に少ない。

せめてブラゼルがいれば、リーグ平均くらいの本塁打数にはなったかもしれない。

ブラゼルは四球がかなり少ないので、統一球下ではあまり良い選手と言えなかったので仕方がないと言えば仕方がない。



次にシーズン終盤で物議を醸した4番鳥谷。

これはどれくらいの意味があったのか考えたい。

阪神は出塁系のスタッツが高い選手が揃っている。

なので極論を言うと誰が何番打っても対して違わないのだが、鳥谷となると話が変わってくる。

鳥谷はリーグ屈指の出塁率の持ち主である。

選んだ四球の数はバレンティンよりも多いし、出塁率は4割を越えているので、とにかくアウトになりにくいバッターだ。

だから当たり前の話だが、沢山打席が回ってくる位置に置くのが良い。

出塁能力だけ考えれば1番に置くのが良いのだが、その他の打者との関連もある。

では、長打率はどうなのか。

なんと鳥谷は長打率でもマートンに継いでチーム2位なのである。

この時点で既にマートンでも鳥谷でもどっちでもよさそうな気がしてくる。

なのでここは視点を変えてマートンの数字を見てみる。

リーグ4位の打率、安打数はリーグ1位、長打率もリーグ6位だ。

正に一流の数字だ。

じゃあマートン4番で良いじゃん、と思われる方も多いと思う。

しかしマートン、今年から4番を打っているので、4番の仕事はあまりしていない。

というより、彼はかなりフリーに打たせてもらっているのではないだろうか。

まず、25併殺を記録している。

これはリーグワースト2位。

出塁能力の高い選手が前を打っているので併殺になり易いが、これは頂けない。

足が遅いということもあるかもしれないが、進塁とかそういうことをあまり考えてないんじゃないかと思えてくる。

さらに、得点圏打率は.285と得点圏にランナーがいない時に比べてかなり低い数字になっている。

こうした数字を見ると、マートンが1番で良いんじゃないか、という気もしてくる。

じゃあ鳥谷4番は正解なのか?ということに踏み込んでいきたい。

個人的な候補としては、新井(兄)と福留くらいだろうか?

福留は打率が.198と2割にも満たないみも関わらず、打点がチーム5位。

得点圏での打率が.257と跳ね上がるからだ。

さらに福留は四球を多く選ぶので出塁率は.295もある。

正直言ってもうちょっと打って欲しいが、怪我の影響がなければ任せるのもアリではないか。

そして新井(兄)。

新井(兄)も四球を沢山選べる打者で、出塁率は.350もある。

さらに得点圏打率も打率.267を大きく上回る.302。

こうして考えてみると、鳥谷のオールランダーぶりから考え、初回から打席が回り、ランナーが出ている可能性が高い打順が生きると思うので、やはり3番だろうか。

マートンはランナーいない方が良さげなのでやっぱり1番になり、自動的に出塁率が高く足も速い西岡は2番に収まることになりそうだ。

で、4番はやはり新井(兄)、そこでこぼしても福留さんが拾う、そんな打線が理想的だったのではないか。



今季もピッチングスタッフはリーグ屈指である。

来季に向けての補強を考えるなら、やはり長打を打てるバッターに尽きる。

楽天や巨人のように、本気でメジャーレベルの選手を獲得することを考えるべき。

今年の目玉、藤浪君は予想以上の成績を上げているし、安藤や福原、加藤といったベテランも活躍した。

心配なのは今季の疲れが来季に響かないか、ということ。

打者なら今成や森田、先発なら白仁田、秋山、抑え候補にも玉置や松田等期待出来そうな選手がいる。

もっと下から選手を上げて使ってみれば良いと思う。



余談だが、クライマックスシリーズ第1戦も、ホームランに泣かされそうだ。







ここからは宣伝。

おれがやってるバンド、PSYCHO kui METALLICSのライヴの予定です。

このブログは趣味に走りすぎていて何をやっている人かまったく解らない、と言われましたので。

10周年に合わせて、新しいアルバム発売しました!

買ってねー!

Amazon

10/20京都ガタカ
11/11新横浜BELLS
11/13宇都宮HELLO DOLLY
11/14大塚DEEPA
11/20心斎橋club jungle



詳細はオフィシャルホームページまで!