さとさまの日常

京都のROCK BAR DIRTオーナー、さとさまの日々の覚え書きを書き記す。

アメトーク「GEININ of HARD ROCK」観た?

いやー、中々おもしろかった。

でもな。

うっすい。

うっすいわ!!

あのな。

メタルの話をしてなぜ我らがメタルゴッド、JUDAS PRIESTの名前が出てこない!

プリーストと言えばメタル界、いや、音楽界きってのおもしろ活動歴の持ち主やのに!

いや、確かに音楽的には素晴らしいよ。

レコード売り上げも凄いよ、アメリカでもかなりの枚数売ってるし。

でも、しかし!

全てのメタル好きが神と崇め信仰するこのバンドを避けて通るわけにはいかぬ!!



JUDAS PRIESTをざっくり説明すると、ヘヴィメタルという音楽をアメリカに広めた人達、というとわかりやすいと思う。

俺達がヘヴィメタルだ!とイギリスからアメリカに乗り込んでいったのだ。

だから、アメリカの人達のヘヴィメタルのイメージは、もうイコールでJUDAS PRIEST的なバンドなのだ。

だから、凄いと言えば凄いのだけど。

彼らはおもしろすぎるのだ。



まず、彼らは真面目である。

いつだって本気である。

そんな彼らがなぜおもしろくなってしまうのか?

それは、売れたい気持ちが半端ないである。

そして、センスもある程度良かったのである。

ある程度ね。



73年デビューのプリーストは、世代的にはQUEENやKISS、AEROSMITHとかと同じくらいの世代であり、ギタリストのグレン等はさらに上の世代、クラプトンやリッチーブラックモアとあんまり変わらない年齢だ。

だけど、プリーストは中々売れなかった。

そこで新しい世代のハードロック、ヘヴィメタルと銘打って流行り出したバンドに紛れて、プリースト売れることに成功したのだ。

そもそもなぜJUDAS PRIESTがメタルゴッドと呼ばれているか。

なぜなら自分達で「METAL GOD」という曲を書いて歌ったからに他ならない。

自分で書いちゃったのかよ!というツッコみが聴こえる。

また、ヘヴィメタルといえば、レザー&スタッヅ。



このスタイルがヘヴィメタルの定番として定着した理由は、そもそもプリーストのボーカルロブ・ハルフォードがゲイであり、当時働いていたアダルトショップで見つけたゲイファッションをバンドで使い始めたからだ。

誰かに似てるなー、と思った方も多いだろう。

そう、レイザーラモンHGとほぼ同じである。

お前の趣味かよ!というツッコみが聴こえるがとりあえずスルーするものとする。



70年代も終わる頃、彼らはとても売れたい気持ちが強い為、流行に対して敏感な嗅覚を備えていた。

しかしなぜかちょっと間違ってた。



80年代初期、ビデオテープの普及によりプロモーションビデオが作られるようになっていた。

80年代に1000万枚、1500万枚と立て続けに爆裂大ヒットを記録するバンド、DEF LEPPARDは、アメリカのある地域だけ売り上げが伸びていることに気付く。

その地域でなぜ売り上げが上がっているのかを調べた所、どうやらPVを専門に流すテレビ局(なんと、のちのMTVである)があり、自分達のPVがヘヴィローテーションされているらしい。

なぜ自分達のPVがヘヴィロテになっているのかをさらに調べた結果、どうやら演奏しているシーンだけでなくストーリーがあることがウケている、と気付く。

それだ!と気付いたデフレパードは、おしゃれでストーリーのあるPVを作り、MTVに乗っかり大ヒットを記録するのだ。



マリリンモンローのような女性と写真をモチーフに、派手な衣装で着飾ったバンドの演奏を加える。

この曲をきっかけにデフレパードは売れに売れていく。

一方その頃、我らがプリーストはというと。

なんとデフレパードよりも早くPVの重要性に気付いていた!

さらに、演奏シーンだけでなく、ストーリーが必要なことも気付いていたのだ!

さすが売れたい気持ちが半端ないバンド!

ではこのPVを観ていただこう!




なんだこれは。

そう思ったと思う。

みんなでギター片手に銀行強盗をする映像だ。

なぜこんなおもしろ映像が出来てしまうのか?

そう、これがジューダスプリーストのセンスだ!

さらに次のアルバムでもプリーストはPV攻勢に出る。



だから何でだよ!

と思ったに違いない。

Hot Rockin'だから、熱した石に水をかけちゃう。

それがメタルゴッドだ!



その後アメリカで(主にライヴや音楽的な努力によって)ミリオンを売るまでに成長したプリースト。

だがしかし!

それでも彼らの売れたい気持ちは止まらない

その頃アメリカでは、グッドな外見のバンド達のハードロックが流行しはじめていた。



かの有名なBON JOVIやMOTLEY CRUEといったバンドを観たのかどうか知らないが、俺たちも!となったプリースト。

しかもセンスがある程度良いプリーストはいち早く大人っぽさを加える、という手法を打ち出すのだ。

これに関してはまず成功例を観て頂こう。

流行の雰囲気に加えオトナっぽいセクシーさを加味したPVで大ヒットを記録したWHITESNAKE



なるほど、BONJOVI的方法論を見事にオトナっぽくしている。

では、そのWHITESNAKEから遡ること1年

いち早くその方法論に気付いた我らがプリーストの勇姿をご覧頂こう。




なんだそのステップは!

とってつけたようなセクシー美女。

最新のアニメーションエフェクトを駆使した映像。

しかし、全てが何か違うのである。

どうしてプリーストがやるとおもしろくなってしまうのか

売れたい気持ちも半端ない、時代を先取りするセンスもあり、楽曲もどんどん対応していく。

でもなぜかおもしろいのだ。

その後時代はルーツ回帰へと突入する。

古い音楽をリスペクトする姿勢がカッコ良い、という風潮になったのだ。



ブルーズやロックンロールがチャートインし始めたのを観て、プリーストが黙っているわけがない

こんなの俺たちがキッズの頃の音楽じゃねぇか、と言ったかどうかは知らないが。

彼らもロックンロールの名曲をカヴァーするのである。



いや、だからなんか違うんだよ!

無駄に高いアレンジ力はなんなんだ!

普通にやったら売れそうなのに!

等々のツッコみが聴こえ(ry

しかしそんなプリーストにも遂に流行にハマる時が来るのである!

長らくお付き合いくださったみなさん、お待たせしました!

それはアメリカでアンダーグラウンドながらじわじわと来ていた新しい流行、スラッシュメタルである!



セックスやドラッグやロックンロールではない、シリアスで社会的な歌詞。

攻撃的なサウンド

派手さよりマッチョなイメージの外見。

プリーストは色々やってみた結果今度はこれにチャレンジしてみるのである。



おお!

これはカッコ良い!

遂にプリーストのおもしろPVの歴史に終止符が打たれたのだ!

変な演出とかいらんかったんや!



結局バンドが演奏してるシーンがあればそれで良かったのかもしれないし、売れようとする努力を辞めていたらとっくの昔に消えていたかもしれない。

でも、やっぱりその足跡は偉大であり、プリーストはメタルゴッドとして我らメタルキッズの心に名を刻むのである。

メタルゴッドフォーエヴァー。

(ちなみに、この後ボーカルがゲイであることをカミングアウトし、バンドを脱退します。)








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おれがやってるバンド、PSYCHO kui METALLICSのライヴの予定です。

このブログは趣味に走りすぎていて何をやっている人かまったく解らない、と言われましたので。

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